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株式公開の罠

健全な会社であれば、株式を公開しても良いのではないかと思われるかもしれません。しかしコンサルティングファームにとって、事態はそれほど単純ではありません。株式公開のメリットとしては、資金調達の他、知名度の上昇などが考えられます。一方、それを上回る可能性のあるデメリットが存在します。

中でも大きいデメリットは、株主の意向に従わなければならない点です。

株主は基本的にコンサルタントとしての矜持に関心がありません。

ただ利潤を増やすことだけを求めてきます。

しかしコンサルタントとしての誇りを犠牲にして利益を追求することは、創業以来の企業理念を蔑ろにすることに繋がります。コンサルタントとしてそれが許せなければ、株式公開はやはり難しい相談なのです。

コンサルタントとして十分社会貢献しながら、同時に利益を追求することはできないのかと思われるでしょうが、そのようなスーパーマンは稀有だという他ありません。特に戦略系コンサルタントは論理思考そのものを売りにしているわけですから、効率的に人材を確保して働かせることは事実上不可能です。

もし利益を増やすことを優先すれば、当然受注数を優先することとなり、質の高いコンサルティングを提供できなくなります。過去にあった事例ですが、違法行為に手を染めてまで利潤を作ろうとするコンサルタントも出現し兼ねません。

そのように考えると、コンサルタントが株式公開に踏み切るのは、業界内では禁物とされているのも頷けます。もちろん一部のコンサルタントは株式公開との相性が良いため、パートナー制を捨てるのも選択肢でしょう。

例えばシステム開発も兼ねているコンサルタントは規模も大きく、助言よりも実行に重きを置いた業務に投資するのであれば、収益向上も期待できます。

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パートナー制のメリットとデメリット

欧米から輸入した「コンサルタント」と言われる仕事は、ファームの経営形態も一般的な株式会社とは異なっていることがあります。

その典型例がパートナー制で、会社の利益と損失がパートナに分配されるのが特徴です。パートナー制を採用しているファームとしては、弁護士事務所や会計事務所を挙げることが出来ます。

これらの事務所は従業員が皆専門家として自立している度合いが高く、パートナー制に合っているからです。自立した者同士が協力して運営に当たり、その結果生まれた利益を分け合うという発想自体は不自然な事ではありません。

この発想に従って働くとなると、仕事で最善を尽くし、利己的な態度を慎み、事業拡大を控えることが考えられます。

というのもパートナーにとっては利益を分け合うこと以上に大切なものがあるからです。利潤以外の動機で組織を運営できるという点が、実はパートナー制の最大のメリットなのです。コンサルティング業界ではこのメリットに惹かれてパートナー制を採用するところも少なくありません。

ただパートナー制にもデメリットが存在します。

それは、同僚間の仲間意識が強くなり、適切な経営に無頓着になってしまう点です。一人一人の緊張感が薄れると、どうしても人事が適当になったり、利潤追求の意欲が低くなったりします。

簡単に言えば株主の監視の目が無いため、経営をさぼってしまうのです。

自由に経費を使えたり、好きな仕事だけ受注できたりする分、経営状況が悪化するリスクは高くなります。

最近はこうしたデメリットを重く見るファームも増えており、株式上場を果たしているファームも珍しくありません。