コンサルティングファームは上場すべきか

コンサルティング業界は長らくパートナー制を基本としてきましたが、昨今の潮流に倣い、株式会社に転身する企業も増えています。

株式会社になれば、株主の監視が付くことになり、当然経営上の数値も公開しなければなりません。

それを避けるために戦略系のファームはパートナー制を維持しているところも多いのですが、社会的責任を負っている企業が情報を秘匿するのは如何なものかという声も高まっており、パートナー制は徐々に崩壊しつつあるのです。

ただグローバル化した有名コンサルティングファームに絞ると、株式上場を実現しているファームは数える程しかなく、未だに一般企業との乖離が認められます。今後は上場する企業が増加するのは間違いないでしょうが、今一度上場するべきかどうかを巡り、起こっている議論に目を向けてみましょう。

上場するということは、ホームページ等でIRを公開するということになります。

そうなると、損益計算書、貸借対照表は明らかにしなければなりません。

それが企業の経営に与える影響を考えると、コンサルティングファームが上場に踏み切れないのも分かります。そもそも株式会社となる目的は、資金を調達するためです。メーカーや小売業は多額の投資が無ければ事業を展開することが叶いません。確かに金融機関から借り入れる方法もありますが、いつでも貸してくれるわけではありませんし、利子もそれなりに高額です。

コストを抑えて資金を手に入れるには、株式公開が一番なのです。他方、コンサルティングファームは事情が異なります。

事業拡大を敢えて計画していない企業も多く、またそれらの企業は自己資金のみで投資を実現できているのです。資金を調達する必要が無ければ、わざわざ株式公開を実行するのは無駄だとも言えます。

株主に配当金を支払わなければならないからです。つまりコンサルティング業界では、株式を上場すれば、無駄な費用が発生し、株主の顔色も窺わなければならなくなり、デメリットの方が大きいとも言えるのです。